ピルとは
ピルとは、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)が配合された薬剤の総称です。
もっともよく知られた効果としては、避妊と月経痛の緩和が挙げられますが、それ以外にもさまざまな効果が期待できます。
ピルは大きく低用量ピルと中用量ピルに分けられます。目的に即した処方を受けることが大切です。
避妊
正しく服用すれば、90%以上の避妊が可能です。
緊急避妊薬(アフターピル)もご用意しております。
月経痛の軽減
月経痛を和らげます。
月経周期の正常化
月経周期を安定させます。
月経前症候群(PMS)の症状軽減
ホルモンバランスの変化を抑制し、イライラ、不安などの症状を軽減します。
ニキビや肌荒れの改善
ホルモンバランスが整えられ、肌の調子の改善が期待できます。
子宮体がん、卵巣がん、大腸がん、リウマチのリスク低減
長期に服用した場合には、これらの疾患のリスクが低減すると言われています。
ピルの主な副作用
- 吐き気
- 頭痛
- だるさ
- 不正出血
- 血栓症
ピルには、以上のような副作用が確認されています。通常、服用を始めてから1~2か月ごろに、これらの副作用がもっとも現れやすくなり、その後軽減していきます。
ただし、ごく稀に重い副作用を起こすことがありますので、「ふくらはぎの痛み・むくみ、手足の痺れ」などの症状(前兆)があったときにはすぐに服用を中止し、ご連絡ください。
当院で取り扱っているピルの種類と価格
低用量ピル
自費初診料3,300円
自費再診料1,650円
自費投薬量 660円(税込)
低用量ピルの種類 | 料金(自費料金は税込) |
---|---|
ヤーズ配合錠 | 保険適用 |
ヤーズフレックス | 保険適用 |
ドロエチ | 保険適用 |
フリウェルLD | 保険適用 |
フリウェルULD | 保険適用 |
ジェミーナ28 | 保険適用 |
ジェミーナ21 | 保険適用 |
ファボワール28 | 2,500円 |
ラベルフィーユ28 | 2,500円 |
シンフェーズ28 | 2,600円 |
セラゼッタ(ミニピル) | 3,000円 |
税込価格になります。
ピル処方の流れ
初診
医師が問診・診察を行います。
問診では、喫煙習慣の有無、血栓症の既往歴、現在服用中のお薬などについてお尋ねします。
現在服用中のお薬がある方は、お薬手帳またはお薬そのものをお持ちください。
検査
血圧測定を行います。
ご説明
服用方法、副作用についてご説明します。
ご不明の点がございましたら、お気軽にお尋ねください。
処方
問診・診察・検査結果、患者様のライフスタイルに適した適切なピルを処方します。
2回目~
2回目以降のピル処方をご希望の場合には、血圧測定を受けていただいた後、受付でピルの処方を受けていただけます。
また、1年に1回の採血検査をおすすめしております。
保険診療のピル処方は医師の診察が必要です。
妊娠の確立を下げる緊急避妊ピル(アフターピル)
避妊に失敗したとき、性交のあとに服用し妊娠の確率を下げることができるのが、緊急避妊ピル(アフターピル)です。
- コンドームが破れた、外れた
- 途中からコンドームを使った
- 膣内に射精された
- 性行為の中で危険な場面があった
以上のようなケース、またその他、妊娠を望んでいないにもかかわらず避妊に失敗した可能性があるときには、できるだけ早くに当院にご相談ください。
アフターピルは、早くに服用するほど、妊娠の可能性を下げることができます。
アフターピルは72時間または120時間以内に
内服してください
アフターピルは、72時間または120時間以内に服用することで、排卵と着床を高い確率で防ぐことができます。
また72時間または120時間以内であっても、服用が早ければ早いほど、効果は大きくなります。
当院の2種類アフターピル
レボノルゲストレル錠
国内で唯一認可されている緊急避妊薬であり、国際的にも標準的な緊急避妊のお薬です。有効成分は、黄体ホルモンのレボノルゲストレル(LNG)です。 2019年3月ジェネリックが認可され、当院ではジェネリックを処方しております。 先発品に比べ安価に提供できます。
性交後の72時間または120時間以内に早めに内服します。排卵を抑制する・遅らせる、受精を妨げる、受精卵の子宮への着床を阻止するなどの作用により避妊効果を発揮します。
エラ
エラ(ella)とは、ウリプリスタル酢酸エステルという成分を使用したアフターピルです。 性交後120時間以内に服用した場合は、高い妊娠阻止率となっております。まだ日本では認可されておりませんが、海外では一般的なアフターピルとして使用されており、安全性や効果が保証されています。
アフターピルの費用
アフターピル | 料金(税込) |
---|---|
レボノルゲストレル | 8,350円 |
エラ | 11,000円 |
自費初診料3,300円
自費再診料1,650円
アフターピルの副作用
- 吐き気
- 嘔吐
- 不正出血
- 頭痛
- だるさ
- 眠気
アフターピルの服用後、以上のような副作用が現れることがあります。少なくとも内服当日中は、できるだけ安静にお過ごしください。
アフターピルの処方の流れ
ご予約
少しでも早くに処方するため、できる限り、事前にお電話でご予約ください。
受付
受付にて、アフターピルの処方を希望している旨をお伝えください。
問診
問診表にご記入いただきます。
ご説明
アフターピルの服用方法、副作用、料金についてご説明いたします。
ご不明の点がございましたら、ご遠慮なくお尋ねください。
処方
受付にてアフターピルを処方いたします。
アフターピルよくある質問
アフターピルを吐いてしまったときにはどうすればいいですか?
服用後2時間が経過していれば、成分の吸収はすでに終わっています。
それより早くに吐いてしまった場合には、再度服用が必要になることがあります。すぐにご連絡ください。
授乳中は服用できますか?
可能ではありますが、アフターピルの成分は、母乳に移行します。
そのため、服用後少なくとも24時間以上は授乳できません。またその間、搾乳し捨ててください。
アフターピルは未成年でも処方してもらえますか?
未成年の方でも処方できます。また、保護者様の同意(書)などは不要です。
月経移動
旅行、イベント、試合、試験などと月経が重なると、その日を楽しめない・力を発揮できないということがありますね。
当院では、黄体ホルモン製剤の内服によって、月経を移動させる「月経移動」を行っております。事前に計画的な服用を行う必要がありますので、ご予定が決まればできるだけ早くにご相談ください。
月経を遅らせる方法
月経開始予定日の5日前から、月経を避けたい日まで毎日1錠ピルを服用します。ピルを服用しているこの期間は、月経が訪れません。
服用をやめてから2~4日後に、月経が訪れます。
月経を遅らせる方法のメリット・デメリット
メリット
- ほぼ確実に月経を移動させる(遅らせる)ことができる
デメリット
- 月経を避けたい日にもピルを服用するため、吐き気などの副作用が生じる可能性がある
月経を早める方法
月経開始後5日目から、月経を避けたい日の10日前まで毎日1錠ピルを服用します。
服用をやめてから2~4日後に、月経が訪れます。
月経を早める方法のメリット・デメリット
メリット
- 月経を避けたい日にピルを服用する必要がない
デメリット
- 月経を遅らせる場合よりも、早くに受診する必要がある(早めたい月経の、1つ前の月経が始まる前までに受診していただく必要があります)
- 月経を避けたい日に確実に避けれない事もあります。
ピル服用中の注意事項
- ピルは1日1錠、正しく服用してください。
- 服用を忘れると、月経が始まってしまうことがあります。
- 吐き気、頭痛、乳房の張りといった副作用が生じることがあります。また、重大な副作用として、頻度は稀(3-9人/1万人)ですが血栓症が生じることがあります。